はじまり
――時間遡行軍を、殲滅する為に――
…
とある本丸の玄関にて
『主、お帰りなさい!』
『主、お帰りなさいませ。』
長い長い遠征から帰城した審神者の元に、平野藤四郎と一期一振が笑顔で出迎えた。
『ただいま。』
それに審神者が笑顔で応える。
彼は赤い髪に碧い瞳、高い身長に精悍な顔を持っている。風が彼の髪をふわりと揺らした。
『あの…主、今回はどのくらいこちらにいらっしゃいますか?』
期待を込めた表情で、けれど、少し控えめに平野が審神者に問いかける。
『ああ、それなんだけど…』
平野に対して審神者が少し申し訳なさそうに答える。そして、一期一振に『ちょっと良いかな?』と視線をおくり、一期一振は
『畏まりました。』
と答えた。